新:映画新聞10周年メッセージ
映画新聞の七十号を期に、今回、そのスタッフを励ます会が持たれますことに、心のなかで祝杯を挙げさせていただきます。その発起人のひとりに挙げていただいたことは光栄でもあり、また格別のお心づかいと存じ、感謝に耐えません。その発起人たるものが、健康の不調ゆえとはいえ、集いの場に出られないことを深くお詫びする次第です。
六年前、映画新聞の企画を持って影山さんが会いに来られました。その時、今日まで続けられるようになるとは考えませんでした。ユニークな企てだけに、『第一期』映画新聞、そして『第二期』といったふうに節を区切ってその節々の映画状況に発言を集中していかれるのではないかと、ひとり合点していました。映画の仕事をする前、ある種の運動紙の定期的発行に専従したわずかの経験から、そのような忖度をしたものです。
発刊いらい映画新聞は攻撃的なエネルギーを秘めておられ、その水準は高いものでした。その年末でしたか、逸早く朝日ジャーナルが貴紙に注目し、そのバイタリティーを鋭く評価しました。そのことをわが事のように受け取ったものです。その各号に全力投球の姿勢と紙面のすみずまで緊張感あふるるものだっただけに、燃え尽きたりはしないかと気持のどっかで杞憂もしました。それだけに今日までの情熱の持続に敬意を禁じ得ません。
貴紙は、ある意図に貫かれていました。ドキュメンタリーへの傾き、そしてアジア映画そして新人の作品などへの力点の配分は号を重ねるごとに独自性をあきらかにしてきました。私事に亘りますが私たちの作品への援護射撃と鞭撻をつねに紙面に感ずることができたのはさいわいでした。さらにまた、多くの映画を愛するひとびとへの励ましを思います。ありがとうございます。お詫びとともに、これからのさらなるご健闘を祈ります。