アフガニスタン記録映画作りへの便り カーブルより 『告知板』 200号 1月20日号 庄建設 <1989年(平1)>
 アフガニスタン記録映画作りへの便り カーブルより 『告知板』 200号 1月20日号 庄建設

 庄幸司郎様一前略-あすからいよいよへラートゆき,通訳さんのために藤本が残置する他,全員目的の地にむかいます。皆元気です。何よりのはげましは,アフガン人のたぐいまれなボスピタリティーと,この映画についての理解です。ラッシュを見せたことが,こんなに有効とは思いませんでした。
 9月27日夕方,ホテルより500m位のところにロケットとしては極めて殺傷力のつよい新型ロケット(多分拡散弾頭つき)が打ち込まれ,文字通り地獄図に出会い,夢中でカメラをまわしました。もしそのまま写っているとしたら,完成したフイルムではみたことのないシーンです。おそらくベトナム戦争でも,イ・イ戦争でも,こうしたシーンをとった人はいたはずですが,やはりフイルムにとどめるにしのびなかったでしょう。そんなことをいろいろ考えさせられました。女・子供を必ずまきぞえにすることがわかっていての新型ロケットの盲目爆撃は人心を極端派から一気に逆転させているのがわかります。(中略)ロケに来ている者より,背後でプロデュースし,いろいろ心をくだく人の方が何層倍も苦しいだろう事情は,私には十分に分っているつもりです。よろしく,よろしく,おねがい申します。一後略-
 カブールにて1988.10.2 土本典昭