「マリナを記憶せよ!」 映画「アフガン零年」新聞広告 <2004年(平16)>
 「マリナを記憶せよ!」 映画「アフガン零年」新聞広告

 『アフガン零年』を見た衝撃は大きい。ハッピーエンドはおろか、“起承転結”の劇映画の文法を断ち切り、“結”を提示しなかったセディク・バルマク監督の破格な意図はなにか? その驚くべき高さの演出と編集に導かれてラストに至り、“少女マリナの運命はいかに”と固唾を呑んでいた私は突き放された。監督はあえて“結”を描く事を断って、「このマリナの将来をまだ語り得ない」とアフガン社会の今を語ったという。“その後のマリナ”を想い描くこととは、同時にアフガンの今後を見続けることに尽きるという世界へのメッセージだ。「マリナを記憶せよ!」その一事に賭けた、いわば捨て身ともいえるバルマクの映画的冒険に改めて感動を禁じ得ない。